ここ二ヶ月

何をしてたかと言えば仕事と禁治産者並みの浪費としか答えようがないのだが、そういえば最近ごく近所にレンタルビデオ屋があってようやく侵入に成功し、いくつか見ようと思ったまま放置していた続き物の映画を借りてみたりしていた。ベタに「A」と「A2」、「ゆきゆきて神軍」とその超駄作の続編、マトリックス三部作、単発では「THE BIG ONE」、「茶の味」、「シービスケット」、あと思い出せないがもっと見たはず。全部それなりによかったが(超駄作続編のぞく)、ここではムーア作品でもあまり取り上げられることのない「THE BIG ONE」についていくつか言及することにする。
アメリカ大企業というのは一つ一つが「THE MIDDLE ONE」であって、ムーアの故郷であるところのフリンチがGMの元企業城下町で、でもGMは必死こいてコスト下げにメキシコで労働者雇って頑張ってる割には今トヨタにボコボコにされていて、別にここでトヨタをほめる訳じゃないが、馬鹿な経営者の下につくとみんな悲惨だなあと徒然思いつつ、結局ロビイスト使って人為的に貿易摩擦作るしか能のない連中が跋扈するアメリマンセーだ。小手先の不満逸らしは結局長く続かないんじゃないの。トヨタロビイストいっぱい作ってるし、いっぱいアメリカの雇用に貢献してるし、いままでの国内保護主義なんて言う構図はまったく過去のもので、いやほんとにトヨタほめる意図は全くないんだけど、コト自動車産業については勝負あった。「THE MIDDLE ONE」の代表格にして旧勢力の自動車産業は見捨てられ、次はP&Gかあるいは「THE BIG ONE」かと私なんかは思ってしまうのだが、P&Gのジレット買収はあるひと曰くウォルマートへの対抗策らしいから、彼らは彼らで大変だ。「消費」のパラダイムが変わり、アメリカ的消費の世紀が後先考えずアメリカ人をマックと最低賃金に押しやってしまったしっぺ返しが今来てるんだろうなと思わずにはいられなかった。売れないということはかの国では最大の罪であって、だから売れ続けるムーアの本、映画、DVDこそがかの国の選択かと言えばそうも単純ではないが、「ザビッグワン」と呟くとき同時に聞こえる、かの国の見捨てられた人々の怨嗟の声(ザスモールワン)に賭ける姿は潔い。なにいってっかわかんないね。ごめんね。

最近読んだ本のベストは
財務官―その権力と正体だな。
まあ著者の勇み足は放置として、溝口財務官へのインタビューは読む価値あり。